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奇跡的な傑作 BABYMETALのアルバム


天然らくだ  海外の反応 翻訳サイト~
http://metalbirds.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

2015/03/26  19:00


これは昨年の8月にredditに投稿されたものです。

以下日本語訳


BABYMETALアルバムレビュー

この投稿は少し長いが、気に入ってくれる事を願う。

このテーマは投稿するには、少しパーティに遅れたと感じてる。
ベビーメタルのデビューアルバムは2月にリリースされた。私はその時は、ここまで有名になるとは考えていなかったんだ。
彼女たちのヨーロッパツアーの成功やアメリカメタルシーンの征服に関してはもはや話す必要はないと思う。ニッチな場所にいた彼女たちが、この短期間でメタルのメインステージに躍り出たのは驚異的だ。これでも控えめな表現だと思う。

なぜ6か月前のアルバムのレビューをするんだい?と尋ねてくるなら、短い答えはこうだ。
このアルバムは奇跡的な傑作だからだ。
私はこの作品のおかげで、人間の力を再び信頼することができた。人間は、まだまだ人の心を揺さぶれる新しい何かを創造することができるのだ。

もし長い答えを知りたいなら、この下を読んでくれ。



女の子とバンド

狂暴なリフと陽気なボーカルのコントラストは、不快に思えて慣れるのに時間がかかるかもしれない。しかしこれはベビーメタルの提示する皮肉なのだ。もしこれを乗り越えることができないなら、好きにはなれないだろう。
これを受け入れることができたら、スゥメタル、ユイメタル、モアメタルが君を失望させることはない。スゥメタルはほぼ全ての曲を魂で歌い上げている。彼女は、この一見正気ではないような船を氷山にぶつけないようにするコンパスのようなものだ。アルバムの始まりを聴くと、君たちは混乱してしまうかもしれない。それを戻してくれるのが彼女だ。スゥメタルの声に身を任せるんだ。
ユイメタルとモアメタルは”ボーカル”という面においては不足を感じる。だが、ライブでは彼女たちのカリスマ性と舞台度胸がそれを十二分に補っている。
君がどう思っているかはわからないが、私はこの二人の存在がベビーメタルをもう一段高いレベルまで引き上げていると思う。

3人の女の子を応援したくなるのは、親心のようなものかもしれない。成功してくれることを望んでいるが、それにこだわり過ぎるのはよくない。ただ彼女たちは才能があるし、成功するための情熱も持ち合わせているように見える。

神バンドの話をしよう。ベビーメタルを車に例えるなら、3人の女の子は光るボディだ。そして神バンドはそれを加速させるV12エンジンだ。彼らの音楽的な才能は批判のしようがない。
アルバムを初めて聴いたときは、ヘヴィメタルの音が止むのを待っていた。でもこの攻撃的な音が止むことはなかった。だがこの演奏が素晴らしいことに気づいたんだ。今ではみんなに薦めているよ。





Babymetal Death
ベビーメタルの世界への残忍で容赦のない導入曲。歌詞はメンバーを紹介している。もしヘヴィメタルを真剣に捉えていないのなら、エモジャンルの男の子バンドを聴く事に戻った方がいいだろう。

メギツネ
素晴らしい曲。ヘヴィメタルと日本的な演奏が結びついている、このアルバムで最も素晴らしい曲だと思う。スゥの歌声は響き渡っていて、ユイモアの”スクリーム”は完壁だ。”カワイイ”合いの手があるが、邪魔になることはない。ベビーメタルを代表する最も完璧な曲だと思う。
ガールズパワーについての力強いメッセージを発している。

ギミチョコ
1200万再生には驚いてる。メギツネをベビーメタルの代表作とするならば、この曲はベビーメタルを初めて聴いた人への完璧な紹介曲だ。この曲の強みはコーラスのポップさ、それとビデオの中での彼女たちの可愛さと親しみやすさだと思う。

いいね!
この曲はフランケンシュタインのようなものだ。同じ部屋にいるのが不自然なほどの、違うジャンル同士の混合物。ダブステップ、その後にヒップホップ、そしてデスメタル、そしてまたダブステップに戻る。本当にクレイジーな作品だ。

ドキドキモーニング
このアルバムの中で最も背景が知りたい曲だ。
作詞家と作曲家がどういった想いでこの曲をつくったのか。最初の計画通りに進んだのか、それとも発展的な考えが生まれて変化したのか。世界にこの獣を放つ前の心境はどんなものだったのか。不安ではなかったのか。この曲に関しては質問したいことは山ほどある。ベビーメタルの背後にいる方たちを称賛したい。彼らがスーツ姿の人間なのか、それとももがきながら頑張っている音楽家なのかは気にならない。この曲を出すのは勇気が必要だったと思う。

おねだり大作戦
この曲は最初はあまり好きではなかった。私はリンプ・ビズキットが嫌いだ。そしてこの曲は彼らのDNAを持っていると感じていた。だから受け入れられなかった。
でも結局は、ユイモアの風変わりなボーカルを味わうようになっていった。

4の歌
この曲の演奏スタイルが本当に好きだ。ただ始めはユイモアのボーカルに慣れる必要があった。特にレゲエサウンドで急に失速する部分がそうだった。
最初は耳障りに感じていたが、今ではお気に入りの曲だ。この曲の作詞作曲が小さい二人だとわかった時は感銘を受けた。

ウキウキミッドナイト
すぐに恋した曲だ。キャッチーで楽しい。ヘヴィメタルのアルバムで楽しさを感じることができるのは本当に珍しいと思う。そしてその代表的な作品がウキウキミッドナイトだ。リピートして聴くことができるよ。

Catch Me If You Can
このインダストリアルメタルはライブで聴いてみたい曲だ。直接聴いて、私の耳に音を突き刺してほしい。この曲は力強いボーカルが特徴的だが、神バンドの技量を見せる曲でもある。実際にライブでは神バンドの個々のスキルを見せびらかしている。

ヘッドバンギャー
この曲の何が魅力だと思う?これは馬鹿げていて、キャッチーだ。ライブにはもってこいの曲だ。コルセットが間違いなく必要になると思う。

イジメ、ダメ、ゼッタイ
この曲はいじめ撲滅がテーマになっている。そしてへヴィメタルの劇場型的な側面を表している。メタルゴッドも誇らしいだろうね。

紅月と悪夢の輪舞曲
これを二つにまとめたのは、曲を気に入らなかったというわけではない。ただ、私はベビーメタルに”楽しさ”を求めていた部分はある。他の曲は、ヘッドバンギングできるものだ。紅月と悪夢の輪舞曲はそれとはちょっと違う。
しかし、じっくりと聴いてほしい。本当に聴いてみてほしい。そうしたら、この曲が最も心を捉えて離さない、成熟したものだと気づくと思う。
ベビーメタルがガールフレンドだったとしたら、最初にルックスに心を打たれ、その後に座ってじっくりと話し合ってみると、彼女は頭がよく、年齢以上に成熟していて、私が寄せる信頼以上のものを返してくれるのだ。私は深い恋に落ちた。
紅月と悪夢の輪舞曲はまさにそんな感じだ。



アルバム
近年は、個別に曲を購入し、自分好みのプレイリストを作成できるitunesの登場によって、”アルバム”という概念が失われつつある。確かにこれは時代遅れなのかもしれない。だが、アルバムとは物語を語るものだと思っている。アルバム自体が、個別の歌と同じくらいの表現力が必要になる。

最初の曲のBABYMETAL Deathは、このバンドが過小評価されるものではないと語りかけてくる。そしてメギツネが流れる。この曲は彼女たちの中で最も素晴らしい曲の一つ。この2曲の流れは、私が今まで聴いてきたアルバムの中で、最も優れたワンツーパンチだ。君はこんな感じのヘヴィな導入部があるアルバムを見つけるのに苦労すると思う。

もちろんベビーメタルがヘヴィメタルと同じように、JPOPの影響があるのは知っているが、それについてはあまり詳しくはない。アルバム全体にポップさが貫いているのは感じる。

”いいね”のヒップホップ要素、”ウキウキミッドナイト”のダブステップ要素、”4の歌”のレゲエ要素といった音楽性の多様さがこのアルバムにはある。これらは本当にメタルと混じり合うことはないと思っていた。そういった固定観念を打ち破ったベビーメタルは、メタルのマッドサイエンティストだ。

しかしベビーメタルがより速くより重いサウンドへ私を導いてくれるのは明らかだ。これを読んでいるのがメタルヘッズだとしても、この作品が君を失望させることはない。
ヘッドバンギャーとイジメ、ダメ、ゼッタイによって終わるこのアルバムは、驚くほどの傑作だ。ライブと同じように、この壮大なメタルによって終わりを迎えるのは完璧だと思う。

最後にアルバムに関してではないが、一つ言いたいことがある。カバーソングに関してだ。
カバーソングでアルバムを埋めるのは手軽でリスクの少ないことだと思う。彼女たちのレーベルのものならなおさら。だが、ベビーメタルは安易にそこに答えを見つけることはしなかった。
そして現在は、その手にした自信によって、将来の展望を強気に語る。
彼らがとった戦略よりももっと安全なやり方はたくさんあったはずだ。だが、銃を持つことを止めずに、完全なオリジナルのアルバムを出した。もしこの音楽に対する真摯な姿勢がなかったならば、どういう結果になっていたかわからない。


ソース http://www.reddit.com/r/BABYMETAL/comments/2eqizn/babymetal_album_review_direct_repost/