イギリス生活情報誌 - 英国ニュースダイジェストがベビメタライブレポートを記載してくれました。


BABYMETALのロンドン公演に行ってきた
2014年7月7日 by 編集部(籠)

皆様こんにちは。イギリスで発行している日本語新聞「英国ニュースダイジェスト」編集部の(籠)です。今、イギリスを含む海外各地で大人気を集めている日本のアイドルであるBABYMETALのロンドン公演に行ってきたのでレポートします。

 
まずは、ロンドンに長く暮らしてもうすっかり浦島太郎状態になっている方々に向けて簡単に説明を。BABYMETALは「アイドルとメタルの融合」をテーマに2010年に結成された女性アイドル・グループです。3人組で、ボーカルのSU-METALが16歳、YUI-METALとMOAMETALが15歳。つまりは、現役女子中高生じゃーん。

 
イギリスに長く住んでいると、「海外で大人気の」なんて紹介される代物には眉唾の情報も多くあることがよく分かってくるのですが、このBABYMETALの「海外人気」は本物です。こっちの国で、ハード・ロック及びメタル系の音楽に詳しい人の間での認知度すごいから。リベラルな論説を展開することで知られる
「ガーディアン」紙も大絶賛しています。本日のロンドン公演のチケットも発売直後に売り切れ。収容人数のより多い会場に変更して追加発売してもまたしても即売り切れ。


今回の会場は、最近だと米歌手リアーナがライブしたこともある「フォーラム」という場所だったんですが、最寄りのケンティッシュ・タウン駅を出た途端にダフ屋。10メートルぐらい歩いたらまたダフ屋。会場前でもやっぱりダフ屋。入り口に着いたと思ったら、待っていたのは入場待ちの長蛇の列。最後尾を探して、探して、探しているうちに途中で通りすがりの人から「一体、何事?」と尋ねられてしまうぐらい、長い長い行列でした。


で、やっとこさ会場内に入った瞬間にもう熱気がすんごい。「モワッ」としてました(おかげで汗びっしょり)。観客は男女の比率がちょうど5:5ぐらいで、9割がイギリス人を始めとする現地人。若い人が多いのだろうと思っていたけど、意外におっちゃん・おばちゃんもたくさんいた。皆さん黒目の服を着ていて、タトゥーとピアスの比率はかなり高かったと思う。ハードコアな音楽ファンとお見受けするような強面の方も多かったですね。


僕は地階席(日本の1階席)にいたのですが、もうぎゅうぎゅう詰め。始まる前から興奮状態にあった前の方の席は、1曲目から既にモッシュ(ハード・ロック及びメタル系のライブでよく行われるおしくらまんじゅうみたいな行為)を始めていました。ヘッド・バンギングしている人もすごくいっぱいいたし、クラウド・サーフィング(胴上げみたいな感じで身体を支えてもらいながら観客の海の中を転がっていく行為)している人は10人を過ぎたところで僕は数えるのを止めた。とにかく、会場全体がはっちゃけてたんです。MCほとんどなしでノンストップで進めていくもんだから、まさにカオス状態に。


しかも観客の皆さんは、そんだけ乱れに乱れながら、日本語の歌詞をしっかり覚えているんだよね。彼女たちの代表曲の一つである「メギツネ」のときに、観客が日本のお祭り風に「ソレ、ソレ、ソレ」って合唱しているのを聞いたときには武者震いみたいなものを感じた。もう一つの代表曲である「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のときも「ダメ!!!」って大声で叫びながら一斉にジャンプするんだから。観衆を興奮の渦に包みながら、日本の伝統文化と「いじめは良くない」というメッセージを世界に向けて同時発信できる中高生って、世界広しと言えどもBABYMETALしかいないんじゃなかろうか。

 
恐らく学校では、現在完了形とか二次関数とかを勉強している最中であろう女の子たちが、イギリスの観客たちをここまでクレイジーさせているっていう事実がもう既にアナーキー。いや、今日の盛り上がりぶりには、本当にぶったまげた。

 
BABYMETALのロンドン公演の模様を写した写真は、英国ニュースダイジェストの
フェイスブックにもUPしています。良かったらご覧ください。
 

それではごきげんよう。(籠)

http://www.news-digest.co.uk/news/blogs/editors-blog/12387-2014-07-07.html